さや株の勝ちシナリオ

価格差の開閉

さや株投資は、2つの銘柄の価格差の開閉に対して投資します。価格差の開閉は、価格が上昇しているときも下落しているときも生じますので、つまり相場の乱高下に影響されることなく利益を狙うことができるのです。「時は金なり」と言いますが、相場の下落局面において塩漬けで景気回復を待つような無駄な時間が無くなるばかりか、その期間も次から次へと利益が狙えるとしたら、これって物凄く価値のあることですよね?

さや株投資で重要なのは、価格の上下ではなく、価格差が開き過ぎているか縮み過ぎているか、なのです。そしてその見極めは、直感に頼るのではなく、標準偏差という統計的な(客観的な)指標によって行います。

では、具体的に2つの銘柄の価格差が開閉している様子を確認してみましょう。下図は、大手自動車部品メーカーのデンソーとアイシン精機の2013年度から2年間の株価を示したものです。緑の矢印からわかる様に、2年間の間に両社の価格差が開いたり閉じたりしています。また、デンソーとアイシン精機は両社ともトヨタ系列の企業で、自動車部品を製造する同業種であることからも、両社の株の値動きは非常に類似しています。グラフをよく見て下さい。細かい刻みまで本当によく似た動きをしながら、中長期的にはその差は開いたり閉じたりを繰り返していることがわかります。

2つの株価の連動性の強い弱いを表したものを相関係数を呼びます。相関係数は同業同種の企業間において高くなることを覚えておいて下さい。

以下は、トヨタ自動車とデンソーの株について、GooBeeに投資を検討してもらった事例です。GooBeeの投資判断についてどう思いますか? 貴方も一緒に考えてみて下さい。

【事例】

ここ数カ月非常に景気が良い。日経平均も右肩上がりで、まだ暫くこの勢いは続きそうだ。とりわけ自動車業界の成長が素晴らしく、トヨタ自動車(7203)とデンソー(6902)の勢いが凄い。株価チャートを見てもまだまだ上昇トレンドだし、今からでも遅くはないはずだ。デンソーの株価チャートはよく見るとトヨタと何だかよく似ている。それもそのはず、デンソーと言えば世界最大の自動車部品メーカーだが、トヨタ系列の会社だからね。トヨタとデンソーどちらを買おうか迷うところだが、ここ最近のトヨタの上昇に比べれば、デンソーはまだ然程上がり切ってない感じだから、これからはデンソーの方が上昇しそうな気がするなぁ。。。あ~面倒だ、考えても正解はわからないし、投資資金は十分あるから、この際両方とも勝っちゃお~っと(≧∇≦)/

さあ、どうでしたか?貴方ならどうしましたか?

GooBeeの選択肢は、トヨタとデンソー両方買うか、デンソーだけ買うか、の2択だった様ですね。

まず、トヨタとデンソー両方買う、については如何でしょう?人それぞれ意見は異なると思いますが、私であれば両方買うことはしません。何故なら、守りを固めること、即ちリスクの恐さを第一に考えるからです。まだ暫く景気は上がると言っていますが、そんなこと誰にもわかりませんよね。もし明日東海大地震が来たらどうなります?両方とも東海地方の会社ですよ(T_T)。ましてや、両銘柄とも似た様な値動きをすると言っていますよね。もし急落した場合、両方とも急落ってことですね。トヨタもデンソーも両方買う魅力は私は感じません。

では、デンソーだけ買う、はどうでしょう?トヨタとの比較論ではデンソーはまだそこまで上昇しきっていない、と言ってます。これは非常に良いところに目をつけていると思いますよ。ただ、それでもこれまで調子良く上がってきたと認識されている自動車業界の銘柄を買うというのは本当に正しいのでしょうか?やはり、ボリンジャーバンドなどのテクニカル指標も参考にして、急に下がるリスクをよく考えた上で慎重に判断した方がいいですね。トヨタとデンソーどちらかを必ず買う、という前提であれば、デンソーが正解でしょう。

相関係数と売買二刀流

実は、さや株の使い手である私は上記のいずれとも異なります。さや株投資ではある前提条件が揃ったら売りと買いを同時に入れます。売買二刀流とは売買両建てのことです。そして、ある前提条件とは以下の2つです。

・トヨタとデンソーは同じ値動きをする傾向が強い  (相関係数が高い)

・トヨタとデンソーの値差は今開いている

 (トヨタが割高)

とりあえず答えを言いますと、私ならトヨタを売って、同時にデンソーを買います(売る金額と買う金額は極限まで同じ金額になる様に調整して売買します)。

おそらく売り(空売り)から入ったことのある方は少ないのではないかと思います。株を買った場合、株価が上がれば利益となり、下がれば損失となります。株を空売りした場合はその逆で、株価が下がれば利益となり、上がれば損失となります。トヨタを売って、同時にデンソーを買うというのは、一体どうことなんでしょうか?今景気は良いとGooBeeは感じていましたから、もしトヨタを空売りして株価が上がってしまったら損をしてしまいます。そんなことするなら最初からデンソーだけ買っておけばいいんじゃないの?と思ってしまいますよね。ここでのポイントはリスクヘッジです。以下に、売買仕掛け後の動きと損益についてシミュレーションしてみましょう。

さや株投資の勝ちパターン

景気は当面良いだろう・・・GooBeeの予想通りに動きました。トヨタは空売りで仕掛けたので損をしてしまいます。デンソーは買いで仕掛けたので利益が出ます。では、損益を足し算したらどうなるでしょうか?私はトヨタを売ってデンソーを買いましたので、かなりの確率で利益となります。トヨタに対しては出遅れて、今から遅れを挽回すべく値上がりがより期待されるデンソーの方を買ったからです。

景気は良かったはずですが、トヨタとデンソーの値差には開きが生じていましたから、それを埋めようと働きデンソーは株価上昇、トヨタは逆に下落となりました。この場合、売りで仕掛けたトヨタと買いで仕掛けたデンソーの両方が利益となり、大儲けとなります。

どうやらGooBeeは修行が足りない様ですね。市場の期待とは裏腹に両方とも下落してしまいました。大口機関投資家にしてやられたということなのかもしれませんし、自動車業界で何か事件があったのかもしれません。でもそんな理由はわからなくて当然です、私は個人投資家ですから。トヨタとデンソーは値差に開きがありましたので、暴落するときの下落幅はデンソーよりもトヨタの方が大きくなる可能性が高いですよね。それを想定して割高のトヨタの方を空売りしたわけです。結果は予想的中で、トヨタで大勝ち、デンソーで負けはしましたが、足し算すれば利益です。

どうですか?ちょっと凄くないですか?仮に大震災が来たりリーマンショック並みの大恐慌があっても、トヨタとデンソーが同じ様な値動きをする限り大きな損をすることはないのです。逆に利益になることだってあるんですよ。

さや株投資のリスクヘッジ

それでは、さや株投資の最大のメリットである予期せぬ大暴落に対するリスクヘッジについて、先ほどのトヨタ自動車とデンソーの価格差を例に確認してみましょう。

下図を見ると、まずはトヨタとデンソーがやはり同じ様な値動きをしていますね。そして価格差は開閉を見せています。今回抜粋した期間は2008年度から3年間。トヨタグループは2000年以降右肩上がりで成長し2007年には売上利益共に過去最高の業績を上げていました。

ところが、2008年9月にリーマンショックが勃発し、トヨタ自動車・デンソー両社の業績と株価も急落します。その後も株価回復の兆しは無く横這いが続きますが、続く2011年3月、歴史的大惨事である東北大震災が発生し、再び両社揃って大暴落します。

思い出してみて下さい。この2回の大暴落時、株の投資家達は洒落にならない程の大打撃を受けて日本中が落ち込んでいたと思います。私の会社の職場でも、昼休みはいつも投資の話で楽しく盛り上がっていたのですが、リーマンショック以降、めっきり株の話をする人はいなくなってしましました。きっと皆多くの塩漬け銘柄を抱え、内心ヒヤヒヤしていたのだと思います。不安の余り決済して資金が半減してしまった様な人もいました。

では、さや株投資の場合どうでしょう?先ほどの勝ちパターンでお見せしたとおり、割高銘柄を売りで、割安銘柄を買いで同時に仕掛けるのがさや株投資法でした。今回ケースの場合、トヨタ自動車を売りで、デンソーを買いで仕掛けることになります。大暴落時は両社とも激しく暴落していますが、トヨタは売っているので大きな利益、デンソーは買っているので大きな損失となります。下図を見た感じでは、2回の大暴落時共に、暴落前の方が暴落後より価格差が開いてますよね。暴落後に価格差が狭くなっていますから、デンソーよりもトヨタの下落幅の方が少し大きかったということになります。仮にトヨタ売りの合計金額と、デンソー買いの合計金額がほぼ同額だったとすると、今回大暴落はデンソー損失よりトヨタ利益が上回ったことになるので、TOTALでは利益となるわけです。

こんな具合で、私は周りが落ち込んでいるときも平然と利益を得ながら気分よく仕事に集中していられるわけです。

「時は金なり」人間のモチベーション継続には限りがあり時間はとても貴重です。時間ロスなく効率よく市場に出るためにも、まずは以下から口座開設下さい